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2022-08-01 (Mon) 20:13

【洒落怖】[危険な好奇心] その4(完) … 女は俺の目前まで歩み寄って来て、『立派になって・・・もう幾つになった?高校生か?』と尋ねてきた

2chオカルト板

708 :『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M :2006/05/13(土) 16:11:46 ID:kgXMFP4hO

俺と淳が疑心暗鬼になりすぎていたのか?!
やはり『中年女』とは赤の他人の別人なのか?
そう一人で俺が考えている間も、その女は黙々と仕事をしている。
俺は意を決して、出入口に歩き出した。すなわち、『その女』の近くに・・・

少しずつ近づいてくるが、相手は一向にこちらを見る気配が無い。
しかし、俺はその女から目を離さず歩いた。
あっという間に何事も無く、俺はその女の背後まで到達した。
女は一生懸命ゴミの分別をしている。
手にはゴム手袋をハメて、大量のゴミを『燃える』『燃えない』『ペットボトル』に分けていた。

その姿を見て俺は、やはり別人か・・・と思っていると、その女はバッ!っとこちらを見て、『大きくなったねぇ~』と俺に話し掛けてきた。
俺は頭が真っ白になった。
大きくなったねぇ?オオキクナッタネェ?
この人は俺の過去を知っている??
この人、誰?
この人、『中年女』?
こいつ、やっぱり『中年女』!!

その女は作業を中断し、ゴム手袋を外しながら俺に近寄ってくる。
その表情はニコニコしていた。
俺はどんな表情をすればいい???
きっと、とてつもなく恐怖に引きつった顔をしていただろう。
女は俺の目前まで歩み寄って来て、『立派になって・・・もう幾つになった?高校生か?』と尋ねてきた。
俺はこの女の発言の意味が判らなかった。

何なんだ?
俺をコケにしているのか?
恐怖に引きつる俺を馬鹿にしているのか?
何なんだ?
俺の反応を楽しんでいるのか?

俺が黙っていると、『お友達も大きくなったねぇ・・・淳くん。可哀相に骨折してるけど。お兄ちゃんも気付けなあかんよ!』
と言ってきた。
もう、意味が全く解らなかった。数年前、俺達に何をしたのか忘れているのか?
俺達に恐怖のトラウマを植え付けた本人の言葉とは思えない。
女は尚もニヤニヤしながら、『もう一人いた・・・あの子、元気か?色黒の子いたやん?』
『!!』慎の事だ!
何なんだコイツは!
まるで久しぶりに出会った旧友のように。
普通じゃない。
わざとなのか?
何か目的があって、こんな態度を取っているのか?
俺は『中年女』から目を逸らさず、その動向に注意を払った。
こいつ、何言ってるのか分かってるのか?
『あの時はごめんね・・・許してくれる?』と中年女は言いながら、俺に近づいてくる。
俺は返す言葉が見つからず、ただ無言で少し後退りした。
『ほんまやったら、もっと早くあやまらなあかんかってんけど・・・』
俺は耳を疑った。

こいつ、本気で謝罪しているのか?
それとも何か企んでいるのか?
ついに『中年女』は、手を伸ばせば届く範囲にまで近づいてきた。
『三人にキチンと謝るつもりやったんやで・・・ほんまやで・・・』と言いながら、ますます近づいてくる!
もう息がかかる程の距離にまで近づいた。
あの時とは違い、俺の方が身長は20㌢程高く、体格的にも勿論勝っている。
俺は『中年女』に指一本でも触れられたら、ブッ飛ばしてやる!と考えていた。

『中年女』は俺を見上げるような形で、俺の目を凝視してくる。
しかし、その目からは『怨み』『憎しみ』『怒り』など感じられない。
真っ直ぐに俺の目だけを見てくる。
『あの時はどうかしててねぇ、酷い事したねぇー・・・』と、『中年女』は謝罪の言葉を並べる。
俺はもう、 その場の『緊張感』に耐えれず、ついに走りだし、その場を去った。

走ってる途中、もし追い掛けられたら・・・と後ろを振り向いたが、『中年女』の姿は無く、ある意味拍子抜けた。
走るのを止め、立ち止まり考えた。
さっきのは、本当に本心から謝っていたのか?
俺は『中年女』を信じることが出来なかった。疑う事しか出来なかった。
まぁ、あの事件の事があるから当たり前だが。

俺は小走りで、先程の場所近くに戻ってみた。
そこには再びゴム手袋をはめ、大量のゴミの分別をする『中年女』の姿があった。
こいつ、本当に改心したのか?
必死に作業をする姿を見ると、昔の『中年女』とは思えない。
とりあえず、その日はそのまま帰宅した。

俺は自室のベットに横になり、一人考えた。
人間は、あそこまで変わることが出来るのか?
昔、鬼の形相でハッピー・タッチを殺し、俺を、慎を、淳を追い詰め、放火までしようとした奴が。
『ごめんね』など、心から償いの言葉を発することが出来るのか。

いや、ひょっとしてあの事件をきっかけに、俺が変わってしまったのか?
疑心暗鬼になり、他人を信じる事が出来ない、『冷たい人間』になってしまったのか?
『中年女』の謝罪の言葉を信じることで、あの事件の精神的な呪縛から解放されるのか?
もう一度『中年女』に会い、直接話すべきだ。
俺は『中年女』にもう一度会うこと、今度は逃げないこと!と決意を固め、その日は就寝した。

次の日、俺はバイトを休み病院に行った。
まずは淳の病室に入り、昨日の出来事を説明した。
そして、今日は『中年女』に会い、直接話してみるつもりだ。と言う事を伝えた。
淳は最初、「『中年女』は変わっていない!」と俺の意見に反対だったが、『このまま一生、中年女の存在に怯え、トラウマを抱えたまま生きていくのか?』と俺が言うと、『・・・『中年女』に会って話すんだったら、俺も付き合う・・・』と言ってくれた。

しばらく沈黙が続いた。
刻々と時間は過ぎ、面会時間終了のチャイムが鳴ると同時に、ガラガラガラ・・・
廊下の奥の方から、ゴミ運搬台車の音が聞こえてきた。
『来たな・・・』
淳がボソッと呟いた。

俺は固唾を飲んで、部屋の扉へ視線を送った。
ガラガラガラ
台車の音が部屋の前で止まった。
部屋の扉が開いた。
作業服の『中年女』、が会釈しながら入室してきた。俺と淳はその姿を目で追った。
『中年女』は、奥のベットから順にゴミ箱のゴミを回収し始めた。
『ごくろうさん』と患者から声を掛けられ、笑顔で会釈をする中年女。
とても昔の『中年女』と同一人物とは思えない。

そしてついに、淳のベットのゴミ回収に『中年女』がやってきた。

『中年女』はこちらに一切目を合わせず、軽く会釈をし、ゴミを回収し始めた。
俺は何と声を掛けていいのかわからず、しばらく中年女の様子を伺っていたが、淳が『おばさん!どーゆーつもりだよ?』と 切り出した。
中年女はピタッと作業の手を止め、俯いたまま静止した。

淳は続けて、『あんた、俺の事覚えてたんだろ?俺には謝罪の言葉一つも無いの?』
俺はドキドキした。まさか淳が急にキレ口調で話すなんて、予想外だった。
中年女は俯いたまま、『ごめんねぇ・・・』と、か細い声を出した。
淳はその素直な返答に驚いたのか、キョトンとした目で俺を見て来た。

俺は『おばさん・・・本当に反省してるんだよね?』と聞いてみた。
すると中年女はこちらを向き、『本当にごめんなさい。私があんな事したから淳君、こんな事故に遭っちゃって・・・私があんな事したから・・・ほんとゴメンね!』と。
俺と淳は更にキョトンとした。何か話がズレてないか?
俺は『いや、昔あんた、犬に酷い事したり、俺ん家にきたり、すべてひっくるめて!』と言った。

中年女は、『本当にごめんなさい!私が、私があんな事さえしなければ・・・こんな事故・・・ごめんね!本当にごめんね!』
と、泣きそうな声で言った。

その態度、会話を聞いていた病室内の患者の視線が、一斉にこちらに注目していた。
静まり返った病室に、『ゴメンね!ごめんなさい!ゴメンなさぃ!』と、中年女の声だけが響いた。
淳は少し恥ずかしそうに、『もういいよ!だいたい、俺が事故ったの、アンタとは一切関係ねーよ!』と吐き捨てた。
中年女はペコペコ頭を下げながら、淳のベットのゴミを回収し、最後に『ごめんなさい・・・』と言い、そそくさと病室から出て行った。

その光景を周りの患者が見ていたので、しばらく病室は変な空気が流れた。
淳は『何なんだよ!あのオバハン!俺は普通に事故っただけだっつーの。何勘違いしてやがんだよ!』
と言いながら枕をドツイた。
俺は『中年女』の行動、言動を聞いていてハッキリと思った。
やはり『中年女』は少しおかしい。
いや、謝罪は心からしているのだろうが、アイツは呪いの儀式を行った事を謝っていた。
呪いを本気で信じているようだった。

淳は、『あの頃は無茶苦茶怖い存在やって、今だにトラウマでビビってたけど、さっき喋って思ったんは、単なるオカルト信者のオバはんやって事やな!』
と、何処かしら憑き物が取れたと言うか、清々しい表情で言った。

俺は『あぁ昔と違って、俺らの方が体もデカくなったしな!』と調子を合わせた。
『さて、とりあえず一件落着したし、俺帰るわ!』
『おぅ!また暇な時来てや!』
と言葉を交わし、俺は病室を出た。

家に帰る途中、俺は慎の事を思い出した。
アイツにもこの事を伝えてやろうと。
アイツも今回の話を聞かせてやれば、あの日のトラウマが無くなるのでは無いか、と。

家に帰り早速、慎と同じサッカー部だった奴に電話をかけ、慎の携帯番号を聞いた。
そして慎の携帯に電話を掛けた。
『おう!ひさしぶり!』
なつかしい慎の声。

俺はしばし慎と、最近どうよ?的な話をした後、淳が事故って入院したこと、その病院に『中年女』が清掃員として働いていること、『中年女』が昔と別人のように、心を入れ替えている事を話した。
慎は『中年女』が謝罪してきたことに対し、たいそう驚いていた。
そして最後に慎は、『淳が退院したら三人で快気祝いをしよう』と言った。
もちろん俺は賛成し、『淳の退院のメドがつき次第連絡する』と伝えた。

その翌日、俺は病院に行き、淳に『慎がおまえの退院が決まり次第、こっちに帰って来て快気祝いしようってよ!』と伝えた。
淳はたいそう喜んでいた。

それから一週間程、病院に見舞いには行っていなかった。
別に理由は無いが、新学期も始まり、なかなか行く時間が無かったというのもある。
それに『中年女』が更正(?)しているようだったので、心配も以前ほどはしていなかった。
何かあれば、淳から電話があるだろうと思っていた。

そんなある日、淳から電話が掛かってきた。
内容は、『来週退院する!』との事だった。
俺は『良かったな!』と祝福の言葉と共に、『中年女』の動向を聞いたが、『普通にゴミ回収の仕事をしている。特に何もない』との事だった。

そして、さらに一週間が経ち、淳は退院した。
俺は学校帰りに、淳の家に立ち寄った。
チャイムを押すと、松葉杖をつきながら淳が出てきた。
『おぅ!上がれよ!』
足にはギブスをはめたままだったが、すっかり元気そうだった。
淳の部屋でしばし雑談をした。

夕方になり俺は帰宅。夕飯を喰った後、慎に電話をした。
『淳、退院したぜ!』
『まぢ!そっか、じゃあ快気祝いしなくちゃな!すぐにでも行きたいけど、部活が忙しいから、月末頃にそっち行くよ!』
との事だった。

そして月末の土曜日。
俺、慎、淳。
小学校以来、久しぶりの三人での再会だった。
昼に駅前のマクドで落ち合った。
久しぶりに会った慎は、冬なのに浅黒く日焼けし、少しギャル男気味だった。
まぁそれはさておき、夕方まで色々と語った。
それぞれの高校の話。
恋の話。
昔の思い出話・・・

もちろん、『中年女』の話題も出てきた。
あの時、それぞれが何よりも恐ろしく感じていた『中年女』も、今となればゴミ回収のおばさん。
病院での出来事を、俺と淳が慎に詳しく話してやると、慎は『あの頃と違って、今ならアイツが襲って来てもブッ飛ばせるしな!』と笑いとばした。
もう俺達にとって『中年女』は過去の人物、遠い昔話で、トラウマでも無くなっていた。

夕方になり、俺達はカラオケBOXに行った。
久しぶりの三人での再会と言うこともあり、俺達は再会を祝して酒を注文した。
まぁ酒と言っても酎ハイだが・・・
当時の俺達は充分に酔えた。
各々、4、5杯ぐらい飲み、皆ほろ酔いだった。
いい気分で歌を歌い、かなりHIGHテンションだった。

そして二時間経ち、歌にも飽き出した時、慎がある提案をした。
『よーし、今から秘密基地に行くぞ!あの時、見捨てちまったハッピーとタッチの供養をしに行くぞ!』と。
一瞬、空気が凍った。
俺も淳も言葉を失った。
まさか、あの場所に行こうなんて、予想外の発言だったから。
慎はそんな俺達を挑発するように、『オメーら変わってねーな!まぢでビビっんの?!ハハッ!』と、少し悪酔い?していた。
その言葉に酔っ払い淳が反応し、『あ?誰がビビるかよ!喧嘩売ってんのか慎?』とキレ出した。

俺は酔いながらも空気を読み、『おいおい、やめとけって!第一、淳まだ杖突いてんだぜ?』と言うと慎がすかさず、『あ、そっか。杖ツイてちゃ逃げれねーしな。ハハハ♪』と、かなりの悪酔いしていた。
淳は益々ムキになり、『うるせーよ!行きてーんなら行ってやるよ!お前こそ途中でビビんぢゃねーぞ?』
と、まるで子供の喧嘩のようになり、結局『ハッピーとタッチの冥福を祈りに』と言う名目で行くことになった。
慎、淳は二人とも結構酔っていたのと、引くに引けなかったんだと思う。
まぁ、ハッピーとタッチの供養はいずれしなければならないと思っていたので、いい機会かもと少し思った。
三人なら恐さも薄れるし。

カラオケBOXを出てコンビニに寄り、あの2匹が大好きだった『うまい棒』と『コーラ』を買い込み、タクシーで一旦俺の家に寄り、照明道具を取って来てから、あの裏山へ向かった。

タクシー運転手に怪しげな目で見られつつ、山の入口でタクシーを降りた。
俺は三人でよく遊んだ裏山という懐かしさと共に、あの日の出来事を思い出した。
こんな夜更けに、また入ることになるとは・・・
そんな俺の気持ちも知らずに、淳は意気揚々と『さぁ、入ろうぜ!』と、杖を突きながらズカズカと入っていく。
その後ろをニヤニヤしながら慎が、明かりを燈しながらついて行った。
俺は『淳、足元気つけろよ!』と言い、慎に続いた。

いざ山に入ると、昔と景色が変わっていることに驚いた。
いや、景色が変わったのでは無く、俺達がデカくなったから景色が変わって見えているのか?
登山途中、慎が淳をからかうように、『中年女がいたらどーする?俺、お前置いて逃げるけど♪』等、冗談ばかり言っていた。
思いの外スムーズに進め、30分程であの場所に到達した。

初めて『中年女』と会った場所。
俺達は黙り込み、ゆっくりと明かりを燈しながら、あの樹に近づいた。
あの日、中年女が呪いの儀式をしていた樹・・・
間近に寄り、明かりを燈した。
今は何も打ち込まれておらず、普通の大木になっていた。
しかし、古い釘痕は残っていた。所々、穴が開いていた。
恐らく、警察がすべて抜いたのだろう。

しばらく三人で釘痕を眺めていた。
そして慎が、『ここらへんでハッピーが死んでたんだよな・・・』と、地面を照らした。
さすがにもうハッピーの遺体は無かったが、ハッキリとその場所は覚えている。
俺はその場に『うまい棒』と『コーラ』を供えた。
そして三人で手を合わせ、次は『タッチ』の元へ。
秘密基地跡へ向かった。

秘密基地に向かう途中、淳が『色々あったけど、やっぱ懐かしいよな』とポツリと言った。
すると慎が、『あぁ。あの夜、秘密基地に泊まりに来なければ、嫌な思い出なんて無かっただろうな』と言った。
確かに。この山で『中年女』に会わなければ、ここは俺達にとっては聖地だったはずだ。

『ここらへんだったよな・・・』
慎が立ち止まった。
秘密基地跡地。
もう跡形も無かった。あの日バラバラにされていた材木すら、一枚も無かった。
淳が無言でしゃがみ込み、『うまい棒』『コーラ』を置き、手を合わせた。
俺と慎も手を合わせた。

しばらく黙祷したのち、慎が言った。
『ハッピーとタッチがいなけりゃ・・・今頃俺達いなかったかもな』
淳『あぁ・・・』
俺『そうだよな・・・結局、『中年女』も更正して、なんだか、やっと悪夢から解放された感じだな』
しばらく沈黙が続いた。

ふと慎が、周囲や目の前の池を電灯で照らし、『この場所、あの頃は俺らだけの秘密の場所だったのに、結構来てる奴いるみたいだな』と。
慎が燈す場所を見ると、スナック菓子の袋や空き缶が、結構落ちていることに気付いた。

俺は『ほんとだな。あの頃はゴミなんて全然無かったもんな。今の小学生、この場所しってんのかな?』と言った。
淳が続けて、『あの時は俺ら、まじめにゴミは持ち帰ってたもんな』と言った。
その時、慎が『うわっ!何だこれ!』と叫んだ。
俺と淳はその声に驚き、慎の照らす明かりの先に視線をやった。
一本の木に、何やらゴミが張り付いている。
よく見ると、無数の菓子袋や空き缶、雑誌が木に釘で打ち付けられていた。

『なんだこれ?!』

慎が明かりを照らしながら近づいていった。
俺と淳も後をついて行った。
『誰かのイタズラ??』
俺はマヂマヂと、打ち付けられたゴミを見た。
その時、『あぁぁぁ・・・これ・・・俺の、ゴミぃ・・・ぁぁぁぁあ・・・』
と、淳が震えた声で言いながら硬直した。
『は?!』
俺と慎は聞き直した。
淳は、『あ゛ぁぁぁ・・・俺が、病院で捨てた・・・あぁぁ・・・』と言いながら後ずさりした。

慎が『おい!淳!しっかりしろ!んなわけねーだろ!』と怒鳴りながら、釘で打たれた一枚の菓子袋を引きちぎった。
それを見て淳は、『あー、ぁあぁ・・・』と奇妙な声を出し、尻餅を付いた。
その行動に俺と慎は呆気に取られたが、次の瞬間『うわっ!』と、慎が手に持っていた袋を投げた。
『え?!』と俺がその袋に目をやると、袋の裏に『淳呪殺』とマジックで書かれていた。
俺はまさか?と思い、木に釘打たれたゴミを片っ端から引き剥がし、裏を見た。

『淳呪殺』
『淳呪殺』
『淳呪殺』
『淳呪殺』

すべてのゴミに書かれていた。
淳は口をパクパクさせながら、尻餅を付いた状態で固まっていた。
慎が何気に周囲に落ちていたゴミを拾い、『おい!これ!』と俺に見せてきた。

『淳呪殺』

なんと、周囲に落ちているゴミにも書かれていた。

俺はその時、初めて気付いた。
『中年女』は更正なんて、はじめからしていなかったんだ。ずっと俺達を怨んでいたんだ。
病院でゴム手袋をして必死で分別していたのも、淳のゴミだけを分けていたんだ!
俺達に『ごめんね』と言っていたのも全部嘘だったんだ。
俺は急にとてつもなく寒気を感じ、此処にいてはいけない!と本能的に思い、淳に『おい!しっかりしろ!行くぞ!』と言ったが、『俺の・・・ゴミ・・・俺のゴミ・・・』と、淳は壊れていた。発狂していた。
とりあえず慎と俺で淳を担ぎ、山を降りた。

あれから8年、あの日以来、もちろん山には行っていない。
『中年女』とも会っていない。
まだ俺達を怨んでいるんだろうか?
どこかで見られているんだろうか?

しかし、俺達三人は生きている。
ただ、未だに淳は歩く事が出来ない。

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