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2022-12-17 (Sat) 12:22

【洒落怖】[出生の秘密] … 自慢じゃないが、私は憑かれやすい

2chオカルト板
312 :出生の秘密1/4:2006/06/02(金) 02:30:08 ID:lNrs+kHJ0

自慢じゃないが、私は憑かれやすい。
または『良くないモノ』を寄せつけやすい体質らしい。
昔から婆さんにお守りを持たされ続けてきた。
何でお守りなんか持たされるのか、子供心に不思議でならなかったが、14歳の誕生日、祖父母両親から初めてこんな話を聞かされた。
(見てるワケ無いですが、見たかのように書きます)

私が生まれてくる前、母親の胎ん中に居た時の話だ。
跡継ぎになる男の子を授かったと、親戚一同集まってお祝いがあった。
妊娠8ヶ月を迎えていた身重に大事があってはいけないと、祖母は母を連れて奥の間、仏壇のある部屋で休んでいたそうだ。

夜も更け、殆どの親類が帰った頃、奥の間から真っ青な顔をした祖母が飛び出してきて、
「ヒロ子さんが(母の名前)、ヒロ子さんがおかしい」と言った。
続けて襖の間から母がフラフラっと現れた。
しわがれた声で『敏行ぃ―敏行ぃ――』と、しきりに呼ぶ。
いつものヒロ子とは思えない老人の声だった。

祖父には――敏行には声の主が誰か分ったのだろう。
ボロボロ涙を流しながら、「カツゴロウ爺、カツゴロウ爺か!」といった。
母は老人の声で正座をする祖父に言い聞かせ始めた。
(方言と昔言葉が頻出するので訳略します)

「ウチの一族は、死んでもまともに成仏できない」という事、
「『タツミ』の代に作った恨み、神罰が未だに消えていない」という事、
「その恨み・災厄は、生まれてくる子に降りかかる」という事、
「この子は今後大変な苦労をするかもしれんが、どうか守ってやって欲しい」
という事を告げた。
ひとしきり話した後、最後に、
「がんぐらぎぃなかん きぃふごあるげえ、ごっだらにもたせぇ」
と言い、母はフッと力が抜けたようにその場に倒れた。

眼覚めた母は、自分が喋った事は一切覚えていなかった、との事だった。
祖父は言った。
母に降りてきたのは勝吾郎。祖父の祖父、つまり私の曾曾爺さん。
禍根の主『タツミ』は、祖父の6代目の先祖。私のひいひいひいひいひい曾爺さんに当たる人物だそうだ。

地元では昔から土着神を崇めていて、私の先祖は代々神事をまとめる司祭だったが、件の『タツミ』という男は相当の外道で、司任してからは権力と金で女性を食い物にし、反抗する者は村八分にしたり、供物と称して殺してしまった。
その上、信仰心など全く無く、神事もおろそかにする有様だった。

さて、その土着神は女の神様なわけで、神罰かどうかは分からないが、しばらくして、地域で凶作が続いたり、女子が全然生まれなくなったりした。

ある年の収穫祭の日。怒った村人は寄って集って、司祭を――『タツミ』を殴り殺してしまった。
無論、供物としてだ。

その後、一族は勿論、地域の者も、誰一人として司祭を継ごうという者は現れず、管理する者もおらず、ヤシロは荒れ果てた。
大正に入って、国家政策で国津神系の神社が建つまで200年間、地元で神事は行われなかった。

どういうワケか分からないが、先祖のツケが私に降りかかるというのだ。迷惑な話である。

話は戻って、母がカツゴロウが最後に言った事について、祖父は語った。
「がんぐらぎぃなかん、きぃふごあるげえ、ごっだらにもたせぇ」
地元の方言で、「岩倉の中に木の札があるから、生まれてくる子供に持たせろ」という意味との事だ。

家には、長い間使われていない岩壁をくりぬいて作られた蔵がある。
後日、祖父が南京錠を外して中を調べたところ、神棚に襤褸切れを見つけた。
油紙に包まれたそれは、木片、札のようにも見える。それには2つの文字が刻まれていた。

『△□』(伏字)・・・私の名前だ。
両親はそれまで決めていた名前を諦め、札に書かれていた2文字を私の名にしたのだ。

私は始めて知った。同年代の子供と比べて、明らかに自分の名前が古臭い理由を。
地元の大人が、私を見ると顔をしかめるワケを。

その木片を祖父が削り出し、祖母が祝詞(のりと)を書いたモノが、私が子供の頃から持たされ続け、今もこうして持っているお守りなのだと。

祖父は言った。
「生まれてすぐ腸閉塞で死にかけたり、沼に溺れてしにかけたりいろいろあったが、今も無事で居るのは、そのお守りのおかげだ。忘れずにこれからも持つように」
そして、「この歳まで無事で生きていてくれて、本当にありがとう」と、爺さんは言った。

当時中学生の、うす味な脳みそに全てが理解できるワケがなかったが、爺さんが死んだ今では、祖父の言っていた事を一句一句噛み締めている。

――そんな話を、彼女に話している。
祖父の葬式が終わって数日後だ。
こういった類の話に理解のある彼女とはいえ、引く事を承知で話している。何故か無性に伝えたくなったのだ。
彼女は想像を裏切り、「・・・そっか、そんな感じだと思った」と、苦笑いしながら答えた。
「?」
「この前ね、枕元にヨボヨボのお爺さんが立って、言うちょね。
 『あの子を守ってやってくれ』って」

今もあのお守りは、肌身離さず持っている。
もう書かれている字もかすれて見えなくなってるが、実家に帰る度に婆さんが必ず言う言葉を肝に命じて。
「だらぁ、お守り持っとるか?なくすなよ、失さしたら死ぬぞ?」

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