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2023-03-06 (Mon) 23:34

【洒落怖】[幽霊団地] … ほぼ満員状態の団地郡に、一棟だけほとんど人が住んでいない棟があった

2chオカルト板
187 名前: 本当にあった怖い名無し 2006/09/01(金) 14:30:22 ID:tXYdN0yb0

昭和も50年代の4月。僕たちが6年生になった最初の日、メンマが引っ越してきた。
もちまえの人懐こさに加え、人を笑わすのが得意だった彼は、すぐクラスに馴染んで僕たちと友達になった。
そして7月。
もうすぐ夏休みだ!
授業なんか上の空で、夏休みをどう過ごそうか?みんながそう考えてる頃の話だ。

「あのさぁ、こんどうちに遊びに来ねえ?」

窓の外からセミがジージー鳴いている中、僕はパンツの上に水着をはいて、いかに具をはみ出させずパンツを引き抜くか頑張ってる最中だった。
次の授業は、プールで水泳だ。
女子がカーテンの裏に回って、きゃーきゃー言いながら着替えていた。
中には別に見られても気にしないよ、って感じで着替えてる女子も何人もいる。
そんでもって僕ら男子は、「女の裸なんか興味ねーよ、おれら硬派だもんな」という態度を見せながら、チラチラ盗み見てたりしているのだ。

「え?ああ、いくいく。お前、どこ住んでんだっけ」

「団地。本当は家建ててるんだけど、まだ出来ていないんだ」

メンマの両親は、家が完成する前にここに引っ越してきたのだ。
それは、新学期最初の日にメンマを学校に転校させて、少しでもみんなと仲良くできるようしてやろう、という気持ちらしかった。
メンマがやけに僕の後ろを気にしているので振り返ってみると、ちょうど樋口さんがTシャツを脱ぎおわったところだった。
あわてて僕はメンマの方に向き直った。

「団地って何棟?」

「5棟の4階」

「うおっ、すげーー!幽霊団地じゃん!」

当時のこの団地郡(40棟近くもある)は、ほとんどすべて人が住んでて満員状態。
にもかかわらず、一棟だけほとんど人が住んでいない棟があった。そこが5棟。
夜、明かりがともってにぎやかな団地の中で、1棟だけ真っ暗団地がなんとも不気味なのだ。
団地郡の隅に位置し、正面に薄暗い神社と汚い川が流れているのもポイントが高い。

なんでもメンマの両親は、前に住んでたところにのこした仕事の整理のために戻り、今日は帰らないのだそうだ。
だからメンマは「遊びに来ないか」と言ってきたのだ。
ひとりで部屋にいたくないんだろう。

「今住んでるとこ、夜寝てると気味悪いことあったりするんだ・・・」

メンマのこの言葉に、他人事ながら僕はワクワクしてしまった。
幽霊が出るのか?やっぱり出るんか、すげーー!
僕が遊びに行くことを了解すると、メンマはほっとしたような表情を浮かべた。
そして鼻歌を歌いながら着替え始めた。
「すーきさ、すーきよ。ぱいぱいあいらびゅーん♪」
どうも彼は、話しながらずっと樋口さんの胸をを見てたらしかった。
僕は、そんな軟弱なことしたくなかったので、女子の着替えを極力見ないようにしていた。
幽霊団地に関して、僕にもちょっとしたことがあった。
この2年位前、僕は、剣道の道場に通っていたのだが、そこに嫌なやつがいた。
打ち合いのとき、下級生の僕に毎回、思いっきり面を打ってくるヤツ。
ぼくはいつも、そいつと当たるのが嫌で嫌で仕方なかった。

そいつが住んでいたのが5棟だったと知ったのは、彼が一家心中で死んだとニュースになったときだった。
新聞に書かれていた知っている苗字・・・ あいつの防具に書かれていた、
ちょっと珍しい苗字。
不謹慎にも僕は、「やった、これでもう苛められなくてすむ!」と思ったものだった。
ああ、ガキだったとはいえ、本当に不謹慎なガキだったんだな・・・

ともかく心霊関係の本にも「自殺者が各地からこの団地に集まって飛び降りる」
とか記事が書かれ、おかげでこの団地には、おばあさんと、いつもブツブツ言ってる変なオバさんぐらいしか住んでいないとのことだった。(メンマ情報

まあ、そんなわけで、僕は仲良かった友達、半田と連れ立って、メンマの団地に遊びに泊まりに行くことになったのだ。
チャリンコを押しながらのんびり僕らは、メンマに色々聞いてみた。

「最初はなにもなかったんだよ。なんか気持ち悪い部屋だなあ、とかは思ったけどさ。
でももうすぐ新しい家も立つし、3ヶ月くらいだからいいかなって思ってた。
そしたらさ、一週間くらい前から・・・」

メンマはノリノリで話し出した。たぶん、本当は怖かったんだと思う。
でもみんなが自分に注目しているし、夏の明るい日の下では、そんな話も怖くなかったんだろう。
調子に乗って話し出した。

「こないだの夜さ、なんとなく目が覚めたんだよ。時計見たら1時過ぎだったかな。
なんか変な時間に目が覚めたなあと思って目をつぶると、となりの部屋でなんか音がするんだよ!
ズル、ズルって。畳の上をなんか引きずってるというか、這っているっていうか」

半田「うおおおおおおおお」

僕「怖え~~~~!すげー怖えええええ!」

僕らはケタケタ笑った。メンマはなんだか得意げだった。
5棟団地。団地郡の隅で、僕の家からは遠いかったので、ここにくることは実は2回目だった。
だって実際怖かったしさ。
団地の五階は、すべてベニヤか何かで目張りしてあった。
飛び降り防止なんじゃないかな。近くの団地にすむ半田が言った。

団地にはエレベーターとか贅沢なものはついていなかった。僕らは狭い薄暗い階段を上がる。
やべっ、もうこの段階でなんか怖いぞ!
さっきまで明るい日の下で笑いあったくせに、僕らはもうビビリ始めていた。
なんたってここは、本にも載る幽霊団地なのだ。その事実を僕らは改めて思い出した。

だけど何も言わず、僕らはもくもくと上り始めた。だってメンマが実際にここに住んでるのに

「気持ち悪いとこだな」とか言えるわけがないじゃないか。だって友達なんだから。

「ここ」

メンマがドアを開けて僕らを案内した。
古くさび付いた緑色のドアは、嫌な音をたてて開いた。
部屋の中は、嫌に薄暗く、狭苦しく感じた。違う棟に住む半田の部屋と同じ間取りだったけど、あっちはもっと明るくて綺麗で広かった・・・
部屋の中には、すごい古い箪笥とか食器棚とかが置かれていた。
なんでも前の住人が置いていった家具が、そのまま置かれていたらしい。

どうせ新しい家にすぐ引っ越すし、4階のここまで荷物を運び込むのもアレなので、そのまま自分たちが使うことにしたらしいけど・・・
僕は思ったものだ。ほとんど誰も住んでいない団地。
前の住人って、何年前の住人なんだろう?

「なあなあ、カセットレコーダーとかない?」
半田がメンマに聞いた。

「あるよ」

「おれ、カメラ持ってきた。ラジカセはさすがに重かったからさ。その、ズルズルって音、録音しようぜ!」
僕とメンマは半田の準備のよさに関心した。

「すげー!なんか写真に写ってたらどうするよ!」

「おれら有名人だぜ、すげーーー!」

「よし、とりあえず記念撮影だ」

ぱしゃり。
そのあとも、僕らは部屋中をあちこち写真に写して回った。

初めは気味悪かったこの部屋も、3人で騒いでるとちっともそんな気持ちはなくなった。
メンマのお母さんの作りおきしてあったカレーを食べて、テレビアニメを見ながら僕たちは、夏休みの計画を立てたり、マンガの話をしたり、好きな女の子を打ち明けたりして盛り上がった。

「あのさ、女の体の、どこを触っても見てもいいって言われたら、お前ら上と下、どっちにする?」

「そりゃ下だろう」
メンマの質問に、僕と半田は即答する。

なんたって男と女の大きな違い、女の○○○は小学生ながら大きな興味の対象なのだ。
そんな僕らにメンマはバカにしたように言う。

「バカだなあ。女にはなんにも生えてないんだぜ! 何にもないんだから見ても触っても面白くないじゃん。
上にきまってるだろ! やわらけーぜ~~~~? きっと!」

熱く語るメンマ。・・・言われてみれば確かにそうだ!

今の自分なら、「そんなことないぞ」と彼らに言い聞かせてやることも出来るのだが、なにしろ当時の僕たちはガキだったのだ。

僕らはメンマの博識に、えらく感心したものだった。
とまあ、そんな感じで盛り上がり、とりあえず寝るかと誰かが言い出したのは12時を回っていた。
あ、ちなみにこの日は土曜日である。

横になっても僕らはなかなか寝付けなかった。
メンマがいきなり屁をこいて笑わせたりするもんだから、
ようやくうつらうつらしてきたのは、午前1時近かったんじゃないだろうか。
みんな静かに、眠っているか、開けっ放しの窓から聞こえる虫の声を聞いてたりしていると、
突然メンマと半田が同時に言った。

「今日、樋口の胸がさあ・・・」

「なんか音しね・・・?」

え?
メンマも言いかけた言葉を飲み込んで押し黙った。僕も耳を澄ます。

ずる・・・
僕らが寝ている隣の部屋で、かすかに何か音が聞こえている。それも低い位置で。
それはメンマが学校で言ったように畳の上を何かが摺っている音のようだった。

やべ・・・
僕は思った。さっきまで3人でバカ笑いしてたのが嘘のようだ。
マジで出た。やべーよコレ。

「開けてみる」
隣の部屋との襖を、半田が開けようとした。
僕は止めたかった。
このまま聞かない振りをして寝てればいいじゃないか。
でも半田は襖を・・・開けた。

ずる・・・ずる・・・
音はさっきより大きく聞こえ出した。

「やべえ・・・まだ聞こえる・・・」

「で、電気つけろよ、電気!」

メンマが寝室の電気をつけた。あわてて引っ張ったスイッチのせいで、照明がぶらんぶらんと揺れる。
音のする部屋に光が届いたり真っ暗になったり・・・古い箪笥の上の人形が、奇妙な影を落とす。ずるり・・・ずるり。

「しゃ、写真・・・ろ、録音!」

「なんか、音、こっち来てねえか?」

ずる・・・ずる・・・
僕が慌ててカセットレコーダーのスイッチを入れた。

「なんか来てるよ! 今まで来なかったじゃん! なんで来るんだよ!」

それは襖を開けたから。今までメンマは音がしても決して襖を開けず、毛布をかぶって聞かない振りをしていたから・・・
ずるずるずる・・・

畳を摺る音・・・いや、這いずってる音だ、これは。音は寝室の中に入り込み、僕らの周りをゆっくりと回りだす。
ずるり、ずるり、ずるり、ずるり・・・

何周かして、音がメンマの後ろに回ると、音が、止んだ。

「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」

僕らは押し黙ったまま、じっとメンマを見つめた。
メンマはもう、今にもひっくり返りそうな顔をして僕らを見ていた。
なんとかしてくれ! その顔はそう言っている。
15分くらい、僕らはこのままでいたと思う。
メンマが聞いてきた。

「おれの後ろ・・・なんかいる?」
僕は横に身を乗り出してメンマの後を覗こうとするけど、何も見えない。

「うぎゃあ!」
突然メンマが身をよじった。
「背中背中!なんか背中あああ!」

メンマはひっくり返り、畳の上をゴロゴロ転がる。

「な、なんにもいねーよ、メンマ!」

「そ、そうだって! なんにもなってないぞ、メンマ!」

「え・・・?」

メンマが泣きそうな目で僕らを見る?

「なんか居ね? 居ね?」

「いねーって! 大丈夫だってメンマ!」

「そ、そうか・・・」
僕らはまた見つめあった。

「ね・・・寝ようぜ」
半田が言った。

うん、そうだな・・・
僕らは半ば呆然としながら、部屋の隅に三人ひっついて横になった。

「あ、その前に・・・」
パシャリ。半田が僕とメンマの写真を取った。

「ま、記念と言うことで」
あ、あはははははは。僕らは乾いた笑いをして恐怖を追い払おうとした。

と、その時。
ガチャン!

「うお!」

「ぎゃあ!」

「うひゃへあ!」

それは、テープが最後まで行って、上がった録音のボタンの音だった。

翌朝、僕が目を覚ますと、最初どこにいるのか分からなかった。
そして、ああ、メンマの家だっけかと思い出すと、夜中の音の記憶が戻ってきた。
急におっかなくなって、僕はメンマと半田をたたき起こした。
部屋にいたくなかったので、もう帰ろうかと半田と話すと、メンマが急に可哀想になった。
メンマの親は、夜まで帰ってこない・・・

「そうだ、メンマ、僕んちこいよ。朝飯いっしょに食おうぜ」
そう言うとメンマは、いかにもホっとした表情を浮かべた。

半田は写真を持ち、現像に出してくると言って帰っていった。
そして何事もなく数日が経った。
僕んちでメンマと遊んでいると、半田が現像された写真を持ってやってきた。
もうこの頃には、あの夜のことは気のせいだったんじゃないかと思えてくる。

「どうだった?なんか写ってたか?」

「まだ見てねえ。一緒に見ようぜ。そう言えば、写真屋の人が、可愛い弟さんですねって笑ってたぞ。
お前、おれの弟だと思われたんじゃねえ?」

実際、メンマはチビだったし、半田は背がすごく大きい。
「でもメンマは可愛くねえだろ」
わはははは。僕らは笑った。

さっそく写真を袋から出して並べてみる。

「なんにも写ってねえなあ」

「んー、やっぱ気のせいだったのかなあ」

「そうだ、カセットテープ!あれは?」

「持ってきてるよ」

「聞いたか?」

「いんや、さすがに怖くてさ・・・ははは」

うちのラジカセに入れて再生してみる。

「・・・・・・」
「・・・やば」
「うん・・・・」
ずるり・・・ずるり・・・

聞こえるよ! やけに小さな音だけど確かに聞こえる!
ずるりずるりずるりずるり
そのとき、メンマが落ちている写真に気が付いた。
袋から出したとき落ちてしまったのだろう。
それを見てメンマが青ざめた。
それは最後の僕とメンマの写真だった。

そこには、メンマの背中に裸の赤ん坊がしがみついて、こっちを見ている写真だった。
顔が真っ黒で表情が分からない・・・が、
いやに真っ赤な口を大きく開いて、なにか叫んでいるような、そんな顔の赤ん坊・・・
写真屋が言っていた「可愛い弟さん」との言葉を思い出す。

「いや・・・可愛くないだろ、これ・・・」
そのとき、突然大音量でラジカセから音がした。

「ぎゃああああああ!」
まるで赤ん坊が何かを訴えるかのように叫んでいる声・・・
ガチャン。テープを最後まで再生し、ボタンが上に上がった。

正直、今でもそのテープの声は耳に残っている。
そしてそれは、あの夜の記憶を嫌が上でも思い出させるのだ。
そんな時ぼくは、同じ日の学校で見た樋口さんの、日焼けした肌と水着で日焼けしていない真っ白な胸に、うすく赤らんだポッチがふくらみ気味に尖ってたことを思い出して、おっかない気持ちを追いやるのだ。

ああ、そういば彼女の下着は、うすい水色に魚のアップリケだったっけ・・・

ここまで、長々とした文を読んでくれた方、どうもありがとうございます。

後日談というわけでないんですが、補足。
メンマはあの夜の後、自分の部屋でなく、両親の部屋で寝るようになったこと。
音は聞こえなかったそうだ。
そして一週間ほどで、新しい家に越してきました。
例の団地の話は、アイドルの山田まり○も近くの団地出身らしく、テレビで言ってたとメンマが言ってました。
メンマとは中学が違ったのですが、あいつはその後もいろいろ体験したらしいので、今度飲みに言ったときにでもネタになりそうな話を聞いてきます。
例のテープと写真は、団地前の神社の祠の中に隙間から突っ込んで入れました。
だって怖いもんw
半田は現在消息不明です・・・

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