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2023-01-20 (Fri) 03:41

【ホラーテラー】[八ヶ岳村] … 目の前に電気の通っていないトンネルが口を大きく開けていた

5年前の話。


暑い夏も終わり、涼しい風が街に吹き込んで来る、半袖では少し寒く、長袖を来て丁度良かった。
私は高校3年生になり、お金が欲しく、自分でバイトをしようと決心。


情報雑誌でバイトを探す毎日、そんなある日私にも出来そうなバイトが見つかった。

お好み焼きの接客業だ、面接をして、一発OKが出た。
次の日から、バリバリ働く私、バイト先の先輩方にも気に入られ、楽しい楽しい毎日だった。
最初の給料日の日、皆が新人歓迎会をしてくれた、みんなそれなりに飲み、時間も遅くなった頃、1人の先輩が注目を集めた。


先輩「おい、今から八ヶ岳村にいかねぇか?俺酒のんどらんし、運転するからよー」
皆「いこーぜぃ!!」
皆ノリノリだった、恥ずかしくも私もノリノリのチキチキだった。


朝9時、ワゴン車に7人を載せて、八ヶ岳村に出発。
【八ヶ岳村は隣町を越え山の中にある今は誰も住んでいない、小さな廃村】
インターネットで調べれば出るかな?

ワゴン車の中はタバコの煙と爆音で流れている音楽にノリノリの私達。


目的地には約四時間程で着いた。
着いたといっても、村までは車で行けず、途中車を止めて歩いて行かなければならない。
皆懐中電灯を片手に持ち、手をつなぐ者や、服を握る者。
皆内心は怖いようだ。


私はというと…足ガタガタ
恐怖を胸に押さえ込み、てくてくてくてく歩きだした。
どれくらい歩いただろうか、目の前に電気の通っていないトンネルが口を大きく開けていた。
中からは、風が強いのか、叫び声のようなものが聞こえる。


ゥゥゥゥオオオオー


恐る恐るトンネルへ入る。
入って見ると驚き!

トンネルは全て手掘りで、人2人が通るのが限界だった。
みな二列に並びゆっくりゆっくり歩いて行く。
さっきまではしゃいでたのも今じゃ誰も話さない。


シーン


静まり返るトンネル。
トンネルの真ん中あたりに来た時だろうか。



ダッダッダッダッダ、
ダッダッダッダッダ、
ダッダッダッダッダ
後ろから誰かが走ってくるのが聞こえる。
全員が懐中電灯で後ろを照らす、何と!!入り口の方からゾンビのような走り方をした人がダーーーっと走ってきた。



「ウワーーーーーーー」


皆トンネルの出口の方に全力で走った。
泣きながら走る奴もいれば、我を失い手と足を一緒に上げ下げしているやつもいた。


しかし、後ろから走ってくる人との距離は変わらず、向こうも距離をはかっている感じだった。


出口を出ると、眩しい光が目にしみる。
後ろからは追ってこない。


前を見ると、獣道の一本道が口を広げている。
後戻りも出来ず、一同はテクテク歩きだした。
獣道を抜けると、廃村が見えてきた。

村の入口には誰かが書いたのか白い看板に赤いペンキで八ヶ岳村と書いてある。
全員来たことを後悔し、泣きながら手をつなぎ歩いていた。


村の真ん中にはリングで出てくるような井戸があり、そのまわりに、ポツン、ポツンと家がある、小さな村だった。
そこに居るだけでも怖くて帰りたいのだが、トンネルを通らなくてはならず、皆帰れずにいた。
廃屋の中にも入れず、ましてや怖くて動く事さえ出来ずにいる。
何時間そこにいただろう。
日も暮れはじめ、辺りが段々闇に包まれていく。

その時急に後ろから人の声がした。

【この村に何か用ですか?】
皆一斉に振り返る。

そこには、着物姿の女が立っていた。
その横には、小学生ぐらいの女の子が立っていた。
取りあえず顔が見たこともないくらい、白かったのを記憶している。

皆「あっいえっすいません。肝試しに来てしまいまして…あのっトンネルに誰か居てまして、帰れないんです」

【そうですか…肝試し?、肝試し?肝だめ…し?、ガハッ、ガハッガハッ、ガハハハハハハはははぁぁー】


顔は口すらも動いていなく無表情の親子…。
しかし、確かに声は聞こえる。

皆「ウワーーーーーーー」
皆腰を抜かし泣いていた。


「すいません、すいません」
泣きながら何回も何回も謝った。

村を走り回る奴、その場から動けずにいる奴、ただ立ち尽くして泣いている奴。
皆絶望的だった。


とっその時、トンネルの方から声がした。
おーい!!こっちこい!

声が聞こえたと言うか、頭に直接響いた感じだ。
私達はその生きた声に導かれ一目散に走った。
その声はトンネルの入口付近から聞こえてきた。

後からは、
ダッダッダッダッダダッダッダッダッダ

追いかけてくる、足音が聞こえる。
後ろを振り向くと、さっきの親子が無表情で追い掛けてくる。
「助けてー助けてー」
走った走った、私達は我を忘れ必死に走った。

トンネルの入口を抜けた…。
1人の住職が立っていた。
住職「おまえら何しとるんじゃ!!全員いるか?」

後ろを振り向くとあの親子は居なかった。

「すいません、全員います」

住職「とりあえず付いてこい!!」
住職に導かれ着いた所は、古いお寺だった。
たしか興龍寺だったように記憶している。

とりあえず、全員本堂に呼ばれ、正座させられた。

住職「おまえらが行ったあの八ヶ岳村は、普通は入れないはずなんだ、トンネルがあっただろう?」
「はい」


住職「あれは10年前に崩れ落ちて通れなくなっていたはずなんだが…
何となしに嫌な予感がしたので見に行くと、トンネルが開通しているではないか。」


ゾゾ一同に寒気が走る。

住職「誰か導かれたなと思い、念じた所お前たちが来たんだよ、あのまま私が行かなければ、死んでたよ」
「すいませんでした!ありがとうございます」


住職「とりあえず村の事は何も教えられん!知ってしまったら、後戻りできんからな。」
「聞きたくないです。」
怖くて聞けなかった…。
そして泣きながら謝る私達。


住職に二度と来るなとキツク言われ、一同は家に帰った。
家に帰り親にこっぴどく叱られた私は、起きた事を全て話した。
しかし親からは納得のいかない答えが帰ってきた。
興龍寺も八ヶ岳村と一緒に無くなったはずだけど…。

あの住職は私たちを守ってくれてたのでしょうか…。
今でも皆何事もなく暮しています。

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